Mag 21
グローカリスト達のマニフェスト
私達はグローカリストである。
1. なぜなら、私達は、テクノロジーは時間と空間の概念を変えながら、世界を変え、一つにした事を知っているから。
2. なぜなら、私達は、知識の世界では、変革は知識と力が融合し、習慣、価値観、歴史を作りあげる瞬間である事を知っているから。
3. なぜなら、私達は、変革とは機会であり、しかしながらまた脅威でもある事を知っているから。
4. なぜなら、私達は、ゼロ地点の時間と空間とは、定着の上にある流動性の領域である事を知っているから。
5. なぜなら、私達は、流動性とは、領域やその境界からは独立した関係にある流れ、ネットワーク、結節である事を知っているから。
6. なぜなら、私達は、境界線のない関係は、場所の意味を変え、それは結節の意味により近づかせ、グローバルとローカルの間に新しい関係を開き、グローバルさはそのネットワークを通して全ての場所に浸透し、それぞれの場所がグローバル規模に直接的に折り込まれる事を知っているから。
7. なぜなら、私達は、この新しいグローカルな世界は私達の世界そして私達の運命となるである事を知っているから。
しかし、私達は知っている:
8. グローカリズムは無国籍な融合体、マクドナルド化、格差、環境災害を意味するのではない事を。
9. この脅威を避けるため、新しい政策や新しい機関の必要性が今後増加していくだろうという事を。
10. 新しい政策や新しい機関は新しい力を意味するという事を。
11. 流動性の世界では正当な暴力や領域の統治に頼る事が常に少なくなっていくであろう事を。
12. グローバル性を活かすのに、また同時に私達のローカルな空間を守るのに、境界線、市民権、統治権、支配化にあるローカリズムは不要である事を。
13. 国家主義の終焉は領土民族の文化アイデンティティの終焉を意味するわけではない事を。
14. グローバルな集落において主役は社会運動である事を。
15. 流動性及び領域を管理するには新しい政治関係が必要である事を。
16. 企業が、共存と経済間を媒介する中心的役割をなす事を。
17. 企業は、グローバル市場によって規制される事を。
18. これらのグローバル市場では、企業集団はグローバルなスケールで論理的に組み合わされた機能ネットワークを通して作用する事を。
19. これらの機能は領域的志向から比較的自由な商品、人々および関係に流動性をもたらす事を。
20. 伝統的な国家・地域の政治機関はこれらの関係の調整に関して、ますます困難な状況に陥っている事を。
21. 新しいグローカルな機関、つまりグローバルな企業とローカルな企業集団を結びつけることができる機関のみが、グローバル経済とローカルの共存を仲介できる事を。
22. 国家の危機はその調整能力を超えていることは付加逆的であり、機関レベルでの深遠な革新しか私達を救うことができない事を。
それゆえに私達は求める:
23. 異なる個人、民族及び国家が平等に共存できる新しい国家;領土コミュニティと実際のコミュニティがそれぞれの興味や機能を組み合わせることができる;ネットワークや領域が国家・地域的な影響を受けることなく組織される。
24. 多様な形態の参加に基づく新しい市民権の形態。
25. 私達の政治的アイデンティティを失うことなく、私達が国際人、イタリック人(イタリアに起源をもつ人々)、ヨーロッパ人、地中海人、イタリア人、北イタリア人、ミラノ人、カトリック教徒、イスラム教徒、自由主義者、社会主義者、技術者、人文主義者、ミラニスタ(サッカーチームACミラノのファン)、インテリスタ(サッカーチームインターのファン)であると感じることができる必然的能力。
26. 個人として、コミュニティとして、これらの新しい参加を育てる能力。
27. 多くの場所で多くの参加を豊富に享受する人生は、その他のどんなモノコードな宗派主義よりもはるかに本物で豊かであることを意識した、新しい流動性を保護する空間的世俗主義の新しい形態。
28. グローカルな世界が私達に提供するために準備している機能・領域ネットワークの豊富でダイナミックな構造の中で自由に活動する能力。
29. グローカル世界において、環境、平和、人権、正義を保護するのに不可欠である新しい国際主義的ガバナンス。
この達成を目指して、私達は以下の物を懸ける:
30. 表現や統治性の新しい構造を達成するために、私達の現在のアイデンティティや政治的主観主義を。
31. 大量移動がもたらす移住者の到来に備えて準備をするために、私達と領域の従来の関係を。
32. 国民国家の没落とグローカル世界の到来が容赦なく私達に提起する要求に合わせるために、変換、順応させることとなる、ローカルレベル・国家レベルの私達の現在の機関を。
挙げるものの到来に向けて動こう:
33. 新しいグローカルな時代の指導者や主体者の役割を引き受けなければならないであろう、新しい思考、新しい主題、新しい機関、政治的慣習の到来。
34. この工程が主題化することを必要とする新しい集合体の到来。
35. 物事、人々、概念の永続性と流動性の間にある新しい関係の到来。
36. グローバルでローカルなスケールで、新しい慣習・機能のコミュニティにおいて効率性と民主主義を融和させることができる、共存性の法則の到来。
37. 機能ネットワークの新しいもつれが新しい方法で以前からある市民参加形態と一体となることで生まれるグローカル都市が促進する都市再構成の到来。
38. 地域レベルでの参加がほぼ全範囲に広がりつつあるという、新しい小国家政治地理学の到来。
39. 関連する機関とそれらの新しい力の到来。
40. ヨーロッパから始まり世界中に現れ始めている半国家状態の国家の新しいレベルの到来。
私達はミラノからこの事を訴え始めようとしている:
41. なぜなら、ヨーロッパは都市を発明した大陸であることを、私達は知っているから。
42. なぜなら、国民国家の到来により築き始められた枠組みの中で地方や大都市の現実をまとめながら、ヨーロッパの単一性が再建されることはないであろうから。
43. なぜなら、ヨーロッパの強いエリアと弱いエリアを統合しバランスを取り戻すことは、国民国家の統一力のみに委ねられることはなくなり、むしろ必ずしも連続的でない地域間の新しい機能ネットワークの建設に委ねられるようになるであろうから。
44. なぜなら、イタリアがヨーロッパの一部を成している様式は明確にされるであろうから:北イタリア、中央イタリア、南イタリア、イタリアの島々は新しい方法でヨーロッパ大陸そしてまた世界のそれぞれの現実を知っていくから。
45. なぜなら、これらの条件下では、私達が住みMilaniaと呼ぶグローカル都市は北イタリアと広大なポー川流域の一部分に過ぎず、ヨーロッパのほかの部分と国家の現実を連結させる責任から逃れることはできないから。
成すべき大仕事がある:
46. 私達が住んでいる大都市をよりよく理解し、描き、組織し、そして制度化するために。
47. 新しいミラノを明らかにするためにーたとえまだアイデンティティが不確定だとしても。
48. このアイデンティティを新しい方法でイタリア・ヨーロッパのその他の部分とつなぎ合わせるため。
49. 商工会議所、銀行業界団体、地方自治体、政府機関等の潜在的な新しいグローカル機関が、既にグローカリスト達の挑戦に没頭している多国籍企業や大手銀行や中小企業との関係を強化できるように。
50. ミラノをローカルレベルで活気付ける何千もの団体やサービス組織が、グローバルな規模で交差する機能ネットワークのより一層密になりつつある組織と相互に連結することを学べるように。
51. 文化的な生活において私達の核となるものが、グローカル化の流れには革新性が高い率で含まれている事に気づくように促すため。
52. グローカル都市を駆け巡る無数のネットワーク、それを活気づける何千もの企業、それに生命を与える流動性に、効率や秩序をもたらすため。
53. これは私達の考えや目標を共有する人全てに参加を呼びかける仕事である。
54. 私達が活動する世界における現実をよりよく理解する必要があるので。
55. 私達が明確に描く新しい挑戦を受けるため、全世代を結集しなければならない。
56. 新しいグローカル世界を政治的に活性化することができる新しい現実が芽生えるのを見守らなければならない。
57. ミラノ人が住むグローカル都市における挑戦にミラノ人が気付かなければならない。
58. イタリック人(イタリアに起源をもつ人々)は世界中で、イタリア人、またはTicino(スイスのイタリア語圏)出身者 、Titano(イタリア半島内にある独立国サンマリーノ共和国)出身者、ダルメシアン(旧イタリア領土で現在はクロアチア領土)出身者の人々の参加を否定することなくその違いを超越した参加を認識して団結しなければならない。起源、興味、文化、価値観により自らをイタリック人だと認識するカナダ人、アメリカ人、ラテンアメリカ人、オーストラリア人、イタリアにおけるEU圏外からの移民を全て結びつけるために。
59. 私達はグローカル世界が必要とする新しい機関と新しいガバナンスの創設に取り組まなければならない。
60. 言い換えれば、つまり、私達には新しいグローカル政策が必要なのである。
そして私達はこの仕事に取り組むのである!
Piero Bassetti, Globus et Locus会長
2008年1月7日 ミラノ